lorlatinibの臨床試験の結果を発表
ファイザー製薬株式会社は2016年6月16日に、開発中の非小細胞肺がんの治療薬lorlatinibに臨床試験の結果、効果が認められたことを6月6日、第52回米国臨床腫瘍学会で発表したと明らかにした。
肺がんは日本において死因として増え続けており、その中で肺がんとして多いものは非小細胞肺がんと呼ばれるがんである。また、この非小細胞肺がんは脳転移することも多く、現在の治療法では完治することが難しい病気の1つと言われている。
転移した腫瘍の縮小も
今回、ファイザー製薬株式会社が発表した内容はALKやROS1陽性(遺伝子が原因する肺がん)の患者において第1相試験を行ったデータで、そのうちの3例に完全奏効が認められ、16例には部分奏効が認められた。
また、脳転移していた患者の腫瘍が小さくなったことを示した。第1相試験ではまず、用量漸贈試験を行い、その後用量を1日1回100mgと定め、2016年1月15日までに54名の患者が参加して得られたデータである。
今現在はこれらの結果を受け、続く第2相試験を行っている。ファイザー製薬株式会社は先にもザーコリ(一般名:クリゾチニブ)がFDA(米食品医薬品局)にALK・ROS1陽性のブレークスルーセラピーに指定され、アメリカでは承認されている。

ファイザー社、進行非小細胞肺がんを対象とした次世代ALK/ROS1阻害剤の有望なデータを発表
http://www.pfizer.co.jp/pfizer/company/press/2016/2016_06_16.html