消化管および肺原発の進行性神経内分泌腫瘍の治療薬として
ノバルティス ファーマ株式会社は6月16日、スイスのノバルティスの発表を受け、進行性神経内分泌腫瘍(NET)治療薬『アフィニトール』(エベロリムス)について、欧州委員会(EU)で新たな承認を取得したことを公表した。今回の承認は、「消化管(GI)または肺を原発とする切除不能または転移性の高分化型(グレード1またはグレード2)非機能性神経内分泌腫瘍(NET)の成人患者」に対するもの。
臨床試験では進行リスクが52%低下
『アフィニトール』とプラセボを比較して行ったピボタル第III相試験の結果、『アフィニトール』投与群の疾患進行リスクが52%低下。また、無増悪生存期間においても、プラセボ投与群が3.9ヶ月だったのに対し、『アフィニトール』投与群では11.0ヶ月と、7.1ヶ月の延長が認められたことが評価された。
最も一般的な3種類における進行性NET治療薬
神経内分泌腫瘍(NET)は全身に生じる希少がんで、中でも消化管、肺、膵臓に多く発生する。『アフィニトール』は、今回承認された消化管と肺以外にも、膵臓を原発とするNETを適応に、米国や欧州連合などで承認されている。
進行性NETにおける新たな治療選択肢
神経内分泌腫瘍(NET)は、診断される段階ですでに進行状態にある患者も多いと言われている。進行による転移がある場合、予後不良となる傾向があるとされ、新たな承認により、治療の選択肢拡大に期待が集まる。

ノバルティス ファーマ株式会社 プレスリリース
http://www.novartis.co.jp/news/2016/