ヒト化モノクローナル抗体 モガムリズマブ
協和発酵キリン株式会社は、2016年6月6日、海外におけるピボタル試験となっているモガムリズマブの再発性もしくは難治性成人T細胞白血病リンパ腫(ATL)に対する第II相臨床試験の初回解析結果を発表した。
成人T細胞白血病リンパ腫(ATL)は極めて悪性のT細胞リンパ腫であり、T細胞がヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV-1)に感染することに起因している。
モガムリズマブ
モガムリズマブはATLを含めた特定の血液がん細胞に頻繁に発現している、CCケモカイン受容体4(CCR4)を標的とするヒト化モノクローナル抗体である。
日本で、再発性もしくは難治性CCR4陽性ATLの治療薬として販売されている他、再発又は難治性CCR4陽性末梢T細胞リンパ腫(PTCL)および皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)への治療薬として、さらに化学療法未治療のCCR4陽性ATLの治療薬として適応追加承認を取得している。
臨床試験結果
71人の患者のうち47人をモガムリズマブ投薬群に、24人をIC群に無作為に割付けて、試験を進めたところ、モガムリズマブ投薬群の未確定ORRは、IR評価で28%(13/47人)、IA評価で34%だった一方で、IC群の未確定ORRは、IR評価で8%、IA評価で0%だった。
また、モガムリズマブ投薬群の確定ORR(連続した評価で約8週間奏効が持続)はIR評価で11%、IA評価で15%であった一方、IC群ではいずれも1人も認められなかった。また、IC群の患者24人のうち18人がモガムリズマブ投薬に切り替え、そのうち3人で奏効が認められた。
モガムリズマブ投薬群の奏効持続期間の中央値は、IR評価では5.0か月、IA評価では5.5か月で、モガムリズマブ投薬群患者の1人は9か月以上の奏効継続を確認した。

協和発酵キリン株式会社 ニュースリリース
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