世界初の直接検出に成功
TANAKAホールディングス株式会社は、田中貴金属工業株式会社(以下、田中貴金属工業)がイムノクロマト法により血中からジカウイルス(以下、ZIKV)を直接検出する試薬を開発したことを2016年6月7日に発表した。
ZIKVは蚊の媒介の他に輸血や性行為で感染する可能性があるとされ、ZIKV感染の早期発見を簡便、迅速に実現する試薬が必要とされている。
感染者の体内で作られるZIKVに対する抗体を検出する簡易検出試薬は市販されているが、感染初期にジカ熱を判定するには不適であった。
田中貴金属工業は、独自の抗体スクリーニング技術と金ナノコロイドの製造技術を応用し、ウイルスの直接検出に世界で初めて成功した。
実用化を目指し医療メーカーと提携を
この検出試薬の感度は、同様にイムノクロマト法を用いるインフルエンザの検査キットなどと同等の検出性能をもつ。
また、これまで、用いられていた遺伝子増幅法では、ZIKVの検出に半日から1日程度かかっていたが、検体を試薬に浸透させるだけであるため、検出に要する時間は10~15分程度である。
田中貴金属工業は、実用化に向けて国内外の医療メーカーと提携し、臨床評価用のサンプルを提供する方針である。
(画像はプレスリリースより)

TANAKAホールディングス株式会社のプレスリリース
http://pro.tanaka.co.jp/