再発・難治性多発性骨髄腫の効能について
武田薬品工業株式会社は、5月30日、新規経口プロテアソーム阻害剤「NINLARO」について、欧州医薬品庁(EMA)の欧州医薬品評価委員会(CHMP)より承認を推奨しない旨の見解が示されたと発表した。
この否定的見解は、同剤の再発・難治性多発性骨髄腫における効能についてのもの。
数多くの臨床試験を実施
「NINLARO」は、米国において優先審査の指定を受け、2015年11月には米国食品医薬品局(FDA)より承認されている薬剤。この承認は、前治療歴のある多発性骨髄腫に対する「レナリドミド」および「デキサメタゾン」との併用の適応についてのもの。同剤の、グローバルで初めての承認取得となっている。
武田薬品は、世界中の各国の当局に対して同剤の承認を申請。また、再発・難治性の多発性骨髄腫に対する「NINLARO」のグローバル申請の基盤データであるTOURMALINE-MM1試験に加えて、他の治療セッティングにおいても数多くの臨床試験を実施している。
CHMPにおける再審査を要請する予定
武田薬品、多発性骨髄腫が未だ治療困難な疾患であり、患者や医療関係者は治療効果が期待できる新たな治療オプションを必要としているとして、「NINLARO」の重要性を強調。同剤は、臨床試験において有意に無増悪生存期間を延長し、良好なベネフィット・リスクプロファイルが示されたとも述べている。
同社は今回の審議結果における見解を不服として、CHMPにおける再審査を要請する予定。

多発性骨髄腫治療剤「NINLARO」関する欧州医薬品評価委員会(CHMP)の審議結果について - 武田薬品工業株式会社
http://www.takeda.co.jp/news/2016/