肺がんの約85%が非小細胞肺がん
ノバルティス ファーマ株式会社は、2016年5月25日、ALK融合遺伝子陽性の非小細胞肺がんの治療薬である、抗悪性腫瘍剤「ジカディア(R)カプセル」の発売を開始した。
非小細胞肺がん(Non-small cell lung cancer、以下NSCLC)は肺がんと診断された患者の約85%を占める。ALK遺伝子の変異(ALK融合遺伝子)を有する患者はNSCLC患者の約2~5%となり、ALK融合遺伝子陽性(以下、ALK陽性)で新たにNSCLCを発症する人は国内に年間約2,000~5,000人と推定される。
脳転移リスクにも効果
ALK陽性のNSCLCの治療にはALK阻害剤が用いられているが、既存のALK阻害剤の治療効果は十分ではなく、効果がみられる場合でもほとんどの事例で耐性から増悪に転じてしまう。また、脳転移のリスクが高い点も課題となっている。
「ジカディア」はALKの自己リン酸化を阻害し、がん細胞の増殖を抑制する働きをもつ、強力で選択的な経口ALK阻害である。
日本人を含む国際共同第2相臨床試験を、化学療法と既存のALK阻害剤の治療歴をもつALK陽性のNSCLC患者を対象に実施した結果、37.1%の奏効率を達成し、抗腫瘍効果も高かった。脳転移をもつ患者では、脳転移病変に対して抗腫瘍効果が確認された。
3月28日、ALK融合遺伝子陽性の非小細胞肺がんの治療薬として製造販売承認を取得し、このたび、「ジカディア(R)カプセル150mg」の発売に至った。
(画像はプレスリリースより)

ノバルティス ファーマ株式会社 プレスリリース
http://www.novartis.co.jp/news/2016/pr20160525.html