米国プロナイ・セラピューティクス社と締結
カルナバイオサイエンス株式会社は、5月27日、CDC7を阻害する低分子キナーゼ阻害薬「AS‐141」のライセンス契約を、米国プロナイ・セラピューティクス社との間で締結したと発表した。
「AS‐141」は、カルナバイオが開発した抗がん剤の新薬候補化合物。締結された契約は、「AS‐141」の開発・商業化に関する全世界を対象としたもの。
がんの新しい治療法を発見
「AS‐141」が阻害するCDC7 (cell division cycle 7) は、セリンスレオニンキナーゼの1種。がん細胞の増殖において重要な機能であるDNA複製や損傷応答の制御で、重要な役割を果たしている。
CDC7の発現量や活性は、沢山の血液がんや固形がんにおいて予後不良や生存率と相関関係を持つ。CDC7阻害剤は、p53非依存的にアポトーシスを誘導してがん細胞を死に至らすため、様々な動物モデルにおいて抗腫瘍効果を示した。
がんの新しい治療法の発見につながったDNA修復機構や損傷応答に関する研究は、2015年度のノーベル化学賞およびアルバート・ラスカー基礎医学研究賞を獲得。注目を集めている。
最大約300億円のマイルストーン
今回カルナバイオとの間で「AS‐141」のライセンス契約を締結したプロナイ・セラピューティクス社は、新規分子標的治療を推進しているオンコロジーカンパニー。同社のリードプロダクト候補である「PNT2258」は、多種のがんで異常をきたしているがん遺伝子BCL2の高発現のがんを標的としている。
同契約においてプロナイ・セラピューティクス社は、契約一時金として約1億円の他、進捗に応じて最大約300億円のマイルストーンを支払うという。

CDC7を標的とする抗がん剤の新薬候補化合物のライセンス契約締結に関するお知らせ - カルナバイオサイエンス株式会社
http://www.carnabio.com/output/irlibrary/429_ja.pdf