本年度内の承認申請が目指されていた
キッセイ薬品工業株式会社は、5月27日、同社が開発中の脊髄小脳変性症治療薬「KPS-0373(一般名:ロバチレリン)」について、追加の第3相臨床試験を実施すると発表した。
同剤は、2013年から2015年にかけて実施された第3相臨床試験の結果に基づいて、本年度内の承認申請が目指されていた。
厚生労働省の定める指定難病
脊髄小脳変性症は、小脳または脊髄が変性することにより、運動失調などの症状が現れる原因不明の神経変性疾患。厚生労働省の定める指定難病であり、日本国内では3万人以上が患者として認定されている。
「KPS-0373」は、塩野義製薬株式会社が創製した甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)誘導体。同剤は、中枢神経系に分布するTRH受容体に結合し、アセチルコリンおよびドパミンなどモノアミンの神経伝達物質の遊離を促進する。神経系を活性化させる作用が期待されている。
更なるデータの集積が必要と判断
「KPS-0373」について本年度内の承認申請が目指していたキッセイ薬品は、医薬品医療機器総合機構との協議を重ねた。その結果、現時点で得られているデータに加えて、追加の第3相臨床試験による更なるデータの集積が必要と判断。追加試験の実施を決定したという。
同社は今後も、同剤を脊髄小脳変性症治療の新しい選択肢として提供できるよう、開発に注力するとしている。

脊髄小脳変性症治療薬「KPS-0373(開発番号)」追加臨床試験実施のお知らせ - キッセイ薬品工業株式会社
http://www.kissei.co.jp/l2/l3/Vcms3_00000930.html