「悪性軟部腫瘍」に関する効能・効果について
2016年6月1日、エーザイ株式会社はフィリピンの販売子会社であるHI-Eisai Pharmaceutical, Inc.が、自社創製の抗がん剤「ハラヴェン」(一般名:エリブリンメシル酸塩)について、フィリピンで、新たに「悪性軟部腫瘍」の効能・効果の承認を取得したことを発表した。
今回のフィリピリンにおける「悪性軟部腫瘍」の適応症の承認は、日米欧に続き、アジアでは2番目の承認となる。
悪性軟部腫瘍
悪性軟部腫瘍は、悪性軟部腫瘍の発生率は、世界で年間10万人に約2~3人といわれている、身体の様々な軟部組織(脂肪、筋肉、神経、線維組織、血管など)で発生する悪性腫瘍の総称である。
「ハラヴェン」
「ハラヴェン」は、ハリコンドリン系の微小管ダイナミクス阻害剤であり、従来の作用機序に加えて、最近の非臨床研究において、腫瘍の血流循環を改善すること、乳がん細胞の上皮細胞化を誘導すること、乳がん細胞の転移能を減少させることなど、特異な作用を有することが報告されている。
「ハラヴェン」の臨床試験については、アントラサイクリン系抗がん剤治療を含む少なくとも2レジメンの前治療歴を有する進行または再発の悪性軟部腫瘍(脂肪肉腫または平滑筋肉腫)を対象とした、臨床第III相試験において、全生存期間の有意な延長を示した。
「ハラヴェン」の悪性軟部腫瘍に係る適応については、2016年1月に米国、同年2月に日本、同年5月に欧州においてそれぞれ承認を取得しており、マレーシア、台湾、香港、シンガポール、タイなどで現在申請中である。

エーザイ株式会社 ニュースリリース
http://www.eisai.co.jp/news/news201638pdf.pdf