第2相試験の中間解析結果を発表
協和発酵キリン株式会社は、5月23日、低分子化合物「バルドキソロンメチル」の国内第2相臨床試験の有効性に関する中間解析の結果を発表した。
同化合物は、同社が米国のリアタ ファーマシューティカルズより導入したもの。試験では、イヌリンクリアランス法を用いて腎機能の改善が確認できたという。
イヌリンクリアランス法を採用
「バルドキソロンメチル」は、体内の250以上もの抗酸化因子および解毒因子の産生を調節する転写因子であるNrf2を活性化する化合物。Nrf2の活性化は、細胞内の抗酸化因子の増加や炎症のシグナル経路の抑制により、組織を炎症から保護する。慢性の炎症は、2型糖尿病や心血管イベントおよび慢性腎不全など、合併症を促進することが知られている。
同化合物の国内第2相臨床試験は、2型糖尿病を合併する慢性腎臓病を対象として実施された。1日1回、16週間反復経口投与した際の安全性および有効性を評価している。有効性の評価は、腎機能を示す糸球体濾過量(GFR)を正確に評価すべく、GFR測定のgold standardであるイヌリンクリアランス法が採用された。
ライフサイエンスとテクノロジーの進歩を追求
治験依頼者によって設立された独立データモニタリング委員会が中間解析データを評価した結果、同化合物はプラセボ群と比較して、GFRの有意な改善が認められたという。これは、イヌリンクリアランス法を用いて腎機能の改善を示した世界初の結果としている。
協和発酵キリンは今後も、ライフサイエンスとテクノロジーの進歩を追求し、世界の人々の健康と豊かさに貢献するとしている。

バルドキソロンメチルの国内第2相臨床試験でイヌリンクリアランス法を用いて腎機能の改善を確認 - 協和発酵キリン株式会社
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