オピオイド誘発性の便秘症
塩野義製薬株式会社は、2016年5月24日、オピオイド誘発性の便秘症患者を対象とした末梢性ミューオピオイド受容体拮抗薬「ナルデメジン」の第3相臨床試験で得られた良好な結果を、米国消化器病週間(サンディエゴ)で公表したと発表した。
これは、非がん性慢性疼痛の治療でオピオイド鎮痛薬を服用し、オピオイド誘発性の便秘症(OIC)を発症している患者に対する、経口剤「ナルデメジン」の有効性と安全性を確認するものである。
オピオイド鎮痛薬を慢性的に服用する患者の半数近くがOICの症状を呈するとされるが、既存の治療薬は効果的ではない上に、副作用の課題をもつ。そのため、疼痛管理にオピオイド鎮痛薬を使用することが難しくなる場合もある。
OICの治療選択肢に
「ナルデメジン」の第3相臨床試験でCOMPOSEIとCOMPOSEIIの試験結果は、プラセボ群と比較してSBMレスポンダー率に改善が認められたことに加えて、副次的評価項目のすべてを達成した。また、鎮痛効果に影響はなく、有害事象は腹痛と下痢に限られた。
同社は、今回の試験結果を受けて、「ナルデメジン」について日本における製造販売承認申請と米国における新薬承認申請とを3月に行った。
今後、副作用のOICを緩和する新たな治療選択肢として、オピオイド鎮痛薬の疼痛コントロールに貢献することが期待される。

塩野義製薬株式会社 ニュースリリース
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