若い人に患者が多い肺炎マイコプラズマ
富士フイルムグループの富山化学工業株式会社(以下、富山化学)は、2016年5月23日、ニューキノロン系経口抗菌製剤「オゼックス細粒小児用15%」の適応菌種に肺炎マイコプラズマを追加する一部変更承認を申請した。
肺炎マイコプラズマを原因とするマイコプラズマ肺炎は、気管支や肺胞の外部の間質で炎症が発症する。患者の約80%を14歳以下が占め、若い人の肺炎の原因に多い。治療には一般的にマクロライド系抗菌薬を用いる。
マクロライド系抗菌薬の耐性菌増加
近年、マクロライド系抗菌薬に耐性を示す菌が増加してきたため、日本小児感染症学会、日本感染症学会、日本小児科学会が「小児の肺炎マイコプラズマ感染症におけるキノロン系抗菌薬の適応拡大に関する要望書」を厚生労働大臣に提出した。
「小児呼吸器感染症診療ガイドライン2011追補」は、マクロライド系抗菌薬に耐性をもつ肺炎マイコプラズマに感染した場合、「オゼックス細粒小児用15%」を治療選択肢としている。
富山化学は小児用細粒剤として同剤を開発し、1990年に発売した。2009年に小児の肺炎、中耳炎を適応症とする国内初の小児用ニューキノロン系経口抗菌製剤として製造販売承認を取得し、2010年に大正富山医薬品株式会社が販売を開始した。
同社は肺炎マイコプラズマを適応菌種に追加する目的で開発を進め、このたびの申請に至った。

富山化学工業株式会社 ニュースリリース
http://www.toyama-chemical.co.jp/