日本国内で販売開始
エーザイ株式会社が創薬開発した抗てんかん剤『フィコンパ』(ペランパネル水和物)が、5月26日から販売開始となった。適応は「他の抗てんかん薬で十分な効果が認められないてんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む)および強直間代発作に対する抗てんかん薬との併用療法」。
ファースト・イン・クラスの抗てんかん剤
『フィコンパ』は、選択的AMPA型グルタミン酸受容体拮抗剤。グルタミン酸によるシナプス後AMPA受容体の活性化を高選択的、非競合的に阻害する。有効成分「ペランパネル」は、シナプス間隙のグルタミン酸濃度に関係なく、細胞内へのナトリウムイオンの流入を抑制することができるとされている。
てんかん患者は国内で約100万人
厚生労働省によると、日本国内のてんかん患者は60万~100万人で、1000人に5~8人が罹患している。発作のタイプにより、大きく分けて約6割が部分てんかん、4割が全般てんかんとされ、全般てんかんのうち、強直間代発作は最も一般的で、重篤な発作型のひとつとなる。
臨床試験で発作発生頻度の減少を実証
『フィコンパ』の部分発作および強直間代発作に対する併用療法として実施された臨床試験では、発作の発生頻度が有意な減少を示した。また、強直間発作における併用療法として実施した臨床第III相試験においては、30.9%の患者において、13週間の治療期間中、発作のない状態が維持された。既存のてんかん剤でコントロールができなかった発作に対する新たな治療の選択肢として期待が集まるところだ。

エーザイ株式会社 ニュースリリース
http://www.eisai.co.jp/news/news201635pdf.pdf日経プレスリリース
http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=414406&lindID=4