米国より導入した新規マクロライド系抗菌剤
富山化学工業株式会社は、5月26日、市中肺炎患者を対象とした「T-4288」の国内臨床第2相試験において有効性および安全性を確認したと発表した。
同社は、富士フイルムグループの製薬企業。「T-4288」は、米国Cempra社より同社が導入した新規マクロライド系抗菌剤。
強い抗菌活性と高い免疫調整作用を持つ
「T-4288」は、マクロライド耐性の肺炎球菌およびマイコプラズマに対し、強い抗菌活性を示すと共に、比較的高い免疫調整作用(抗炎症作用)を有する薬剤。米国では本年4月、細菌性の市中肺炎の適応で、Cempra社が米国食品医薬品局(FDA)に新薬承認申請を行っている。
富山化学は2013年5月、同剤の日本における開発・製造・販売の独占的権利に関するライセンス契約を、Cempra社との間で締結。臨床第1相試験を経て、2015年1月より臨床第2相試験を開始した。同試験では市中肺炎患者を対象とし、同剤を経口で5日間反復投与。同剤の有効性と安全性を検討していた。
今後は臨床第3相試験の準備を進める
「T-4288」投与群の有効率は、基準薬である「レボフロキサシン」の投与群と比べて、良好なものとなった。臨床上問題となる重大な副作用も認められず、富山化学は同剤の有効性および安全性が確認できたとして、今後は臨床第3相試験の準備を進めるとしている。
日本では新しいマクロライド系抗菌剤に対し高いニーズがあるため、同社は抗感染症領域の薬剤をさらに充実させていくという。

新規マクロライド系抗菌剤「T-4288」の国内臨床第2相試験において有効性および安全性を確認 - 富山化学工業株式会社
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