規定した基準は達成しなかった
アストラゼネカ英国本社は、5月18日、進行胃がんにおける「オラパリブ」第3相試験の主要結果を発表した。
同試験は、「オラパリブ」と化学療法剤「パクリタキセル」との併用療法を、「パクリタキセル」単独療法と比較検討するもの。主要評価項目である全生存期間において、治験実施計画書に規定した基準は達成しなかったという。
「パクリタキセル」併用における有効性と安全性を評価
「オラパリブ」は、革新的なファースト・イン・クラスの経口ポリADPリボースポリメラーゼ(PARP)阻害剤。DNA修復経路に異常をきたした細胞に対して特異的に作用し、細胞死を誘導する。米国ならびにEUにおいては、BRCA遺伝子変異陽性進行卵巣がんの治療薬として承認された最初のPARP阻害剤となっている。
同剤の第3相試験は、「パクリタキセル」との併用における有効性と安全性を評価する無作為化2重盲検プラセボ対照多施設共同試験として実施された。同試験では、1次療法後病勢が進行した進行HER2陰性胃がんのアジア人患者を登録。胃がんの発症率が特に高い日本・中国・韓国・台湾で実施された同試験では、18%の患者が腫瘍の免疫組織化学検査によりATMタンパク発現陰性と判定されていた。
統計学的有意性は認められなかった
同試験では、28日間を1サイクルとした治療スケジュールの1日目・8日目・15日目に「パクリタキセル」注射液が1時間かけて点滴静注され、それとの併用で「オラパリブ」が1日2回経口投与された。
同試験の主要評価項目である全生存期間は、全患者群においてもATMタンパク発現陰性がん患者群においても、治験実施計画書に規定した基準を達成しなかったという。「パクリタキセル」単独療法群と比較し、「オラパリブ」「パクリタキセル」併用群に生存期間延長の傾向が見られたものの、統計学的有意性は認められなかったとしている。

アストラゼネカ、進行胃がんにおけるオラパリブのGOLD試験の主要結果を発表 - アストラゼネカ株式会社
http://www.astrazeneca.co.jp/media/pressrelease