C肝薬にB型肝炎ウイルス再活性化の恐れ
厚生労働省の医薬・生活衛生局は18日、C型肝炎直接型抗ウイルス薬にB型肝炎ウイルスを再活性化させる恐れがあるとして、医薬品の「使用上の注意」を改訂するよう日本製薬団体連合会に指示したことを発表した。
改訂内容について
添付文書の改訂が必要だと判断されたのは、C型肝炎治療薬のアスナプレビルなど8薬品である。
厚労省の通達では、これらの添付文書に「慎重投与」の項目を新設し、B型肝炎ウイルス感染者ないしは既往感染者に向けて、当該のC肝薬がC型肝炎の治療には効果があるものの、B型肝炎ウイルスを再活性化させた事例が報告されていることを記載するよう指示した。
また、B型肝炎ウイルス感染者に当該薬品を投与する場合は、ウイルスマーカーのモニタリングを行うなどして、B型肝炎の悪化が生じないよう、十分注意を払う必要があることを示した。
医薬品の安全性のために
今回、添付文書の改訂が指示された8薬品のうち、ブリストル・マイヤーズスクイブのダクルインザ錠60mgとスンベプラカプセル100mgに関しては、死亡例も報告されている。そのため、B型肝炎に感染していないかどうかを同剤の投与以前により慎重に確認しておくことが推奨される。
厚労省は、医薬品の有効性および安全性の確保のため、今回の改訂内容を医療従事者に周知するよう呼びかけている。

厚労省 「使用上の注意」の改訂について
http://www.mhlw.go.jp/