局所再発性または転移性乳がん患者が対象
エーザイ株式会社は、5月13日、同社創製の抗がん剤「ハラヴェン」が中国の乳がんを対象とした臨床第3相試験において、「ビノレルビン」と比較して無増悪生存期間を統計学的に有意に延長したと発表した。
同試験は、局所再発性または転移性乳がん患者を対象に、無増悪生存期間を主要評価項目として実施されたもの。
ユニークな作用を有することで知られる
「ハラヴェン」は、ハリコンドリン系の微小管ダイナミクス阻害剤。微小管の伸長を阻害・抑制することで、細胞分裂の停止作用を有する。加えて、腫瘍血流循環の改善、乳がん細胞上皮細胞化の誘導、乳がん細胞の転移能減少など、ユニークな作用を有することで知られている。
同剤は2010年11月、「アントラサイクリン系およびタキサン系抗がん剤を含む少なくとも2種のがん化学療法による前治療歴のある転移性乳がん」の適応で、米国にて最初の承認を取得。これまでに約60カ国で、乳がんに係る適応で承認を取得している。また米国および日本においては、悪性軟部腫瘍に対するオーファンドラッグ指定を受けている。
「ハラヴェン」と「ビノレルビン」を比較
中国で実施された同剤の臨床第3相試験は、局所再発性または転移性乳がんの患者530人を対象として、「ハラヴェン」と「ビノレルビン」の有効性および安全性が評価された。
「ハラヴェン」投与群は「ビノレルビン」投与群と比較して、主要評価項目である無増悪生存期間の統計学的に有意な延長が認められたという。「ハラヴェン」投与群において高頻度で確認された有害事象としては、従来の安全性プロファイルと同様の好中球減少・貧血・発熱・疲労・無力症が挙げられている。

抗がん剤「ハラヴェン」が中国の乳がんを対象とした臨床第3相試験において無増悪生存期間を延長 - エーザイ株式会社
http://www.eisai.co.jp/news/news201632pdf.pdf