バリシチニブの第3相臨床試験
日本イーライリリー株式会社は、メトトレキサートの治療を継続中である中程度から高度の関節リウマチ患者を対象にバリシチニブの第3相臨床試験、RA-BEAM試験を行い、アダリムマブに対する優越性を示した日本人集団における解析データをインサイト・コーポレーションと共に第60回日本リウマチ学会総会・学術集会で発表した。
選択的JAK1およびJAK2阻害剤であるバリシチニブは、炎症性疾患、自己免疫疾患を対象とした後期臨床試験が行われている。JAK依存性サイトカインは炎症性および自己免疫疾患の病因に関連するため、JAK阻害剤が炎症状態を示す疾患の治療に効果をもつ可能性がある。
多くの国でバリシチニブを承認申請するため4つの主要な第3相臨床試験が実施され、中国での臨床開発に向けた新たな第3相臨床試験も進行中で、これら5つの第3相臨床試験を完了した中等度から高度疾患活動性関節リウマチの患者は、長期継続投与試験に登録可能となる。
全体集団と同様の傾向
日本人集団でメトトレキサートと併用したバリシチニブ群は、プラセボ群と比較して構造的関節損傷の進行抑制で優越性を示し、アダリムマブ群と比較して疾患活動性の改善も認められた。この結果は、全体集団での試験結果(2015年・米国リウマチ学会)と同様の傾向である。
今回、バリシチニブの生物学的製剤に対する有効性での優越性と、関節破壊の抑制効果も検証されており、今後、日本のリウマチ患者に対して新たな治療の選択肢となることが期待される。

日本イーライリリー株式会社のプレスリリース
https://www.lilly.co.jp/_