速効性の高い偏頭痛薬へのニーズ
株式会社新日本科学(以下、新日本科学)は、2016年5月17日、米国のトランスレーショナルリサーチ(TR)事業を拡大するため、経鼻偏頭痛薬を開発する米国開発会社Satsuma Pharmaceuticals, Inc.(以下、Satsuma社)を設立すると発表した。
米国の偏頭痛薬市場は2011年のデータによると約3,000億円に達する。偏頭痛を抱える人は約2,800万人、国民の1割にも及び、20~40歳代の年代に顕著である。このため、速効性の高い薬剤に対するニーズは強い。
独自の経鼻製剤基盤技術
Satsuma社は、新日本科学と経鼻製剤基盤技術についてライセンス契約を締結した後、米国機関投資家からの投資により、同技術を応用した経鼻偏頭痛薬(ジヒドロエルゴタミン、以下、DHE)粉体製剤の商品化を目指していく。
この技術は、グラニセトロン経鼻製剤の第2相臨床試験で有効性が確認され、DHEではサルにおける前臨床試験で良好な薬剤吸収性が認められている。
市販のDHE点鼻剤(水溶液)は、第一選択薬のトリプタン製剤では効果を得られない患者に有効であるが、吸収性が遅く効果が現れるまで約30分を要する点、薬剤吸収にムラがあり臨床効果が一定ではない点に課題がある。速やかで吸収性に優れたDHE経鼻偏頭痛薬への期待は高い。
今後、Satsuma社は、DHEの臨床試験でProof-of-Concept(概念実証)を確認後、NASDAQ上場または製薬企業へのライセンスアウトか一部株式売却による共同保有などを模索する。また、DHE以外にも複数の経鼻製剤(粉体)の開発を計画している。

株式会社新日本科学 プレスリリース
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