日本初の吸入型肺血管拡張剤
バイエル薬品株式会社は16日、肺動脈性肺高血圧症(以下、PAH)の治療薬として「ベンテイビス吸入液 10μg」(以下、ベンテイビス)の発売開始を発表した。同社によると、同剤は2010年に厚生労働省から開発を要請されて製造された、日本初の吸入型肺血管拡張剤であるという。
使用法と効能・効果
「ベンテイビス」は、バイエルヘルスケア社が開発した合成プロスタサイクリン誘導体であり、同社指定の吸入器を併用することで肺血管にダイレクトに薬剤を送ることができる。
これによって、肺血管を拡張し、血液が滞りなく流れるようにすることで、同剤は肺動脈そのものの血圧を下げる。ひいては、全身に酸素を運ぶ力を改善し、心臓の負担を緩和する効果が見込まれている。
同社によると、同剤を使用する際に指定されている吸入器は、携帯型となっているため、患者自ら薬剤を吸入できるよう配慮されている。
PAH患者のQOL向上のために
同社はこれまでも慢性血栓塞栓性肺高血圧症の治療薬「アデムパス錠」にPAHに対する効能・効果の追加承認を行うなど、PAH治療に様々な選択肢を与えてきた。
今回の「ベンテイビス」発売は、これまでの実績に新たな選択肢を加えることとなり、同社は今後もPAH患者の生活の質を向上することに貢献していく、と述べている。

バイエル薬品株式会社 プレスリリース
http://byl.bayer.co.jp/