個人に合わせた最適治療を行うゲノム医療 体制を整備
国立研究開発法人国立がん研究センターの中釜斉理事長は10日、都内で所信説明会を行った。説明会の中で中釜理事長は、遺伝子レベルで個人あった医療を行う「ゲノム医療」への取り組みを強化していく考えを示した。
遺伝子情報を利用
ゲノム医療は、患者のゲノム(全遺伝子情報)を利用し、遺伝子的にがんになりやすい場合の個別化予防、また、副作用の回避を含め、適切な治療薬の選択を可能とする個別化治療を目的とした診療方法。
「ゲノム医療推進本部」を新たに設置
国立がん研究センターでは、2015年11月、中央病院内に「遺伝子診療部門」を設立して、実際に診療を行ってきたが、さらなる体制強化を行っていく考えで、2016年5月1日には、ゲノム医療の推進と政府での施策実現を目的に、ゲノム医療推進本部を設置した。
希少がん・難治がん課題解決に向けた研究も強化
現在、国立がん研究センターでは、新薬開発の加速を目的として医療機関や製薬企業などと連携する「スクラム・ジャパン」プロジェクトに取り組んでいるが、これをさらに推進。全国200施設の遺伝子情報をもとに、製薬企業と共同で新薬開発を行うほか、今後はゲノム医療における臨床研究を、希少がん、難治がんなどの課題解決にも拡大していく方針だ。

国立がん研究センター(記者会見情報)
http://www.ncc.go.jp/jp/information/press/20160510.html