日本における開発および販売を許諾
第一三共株式会社は、5月10日、英国Cell Therapy社が開発中の虚血性心不全の細胞治療薬「Heartcel」に関するライセンス契約を締結したと発表した。
同契約は、「Heartcel」の日本における開発および販売の独占的実施権を、Cell Therapy社がら第一三共に許諾するというもの。
他家細胞治療薬「Heartcel」
「Heartcel」は、Cell Therapy社が独自に開発した手法により、新規に作成された細胞治療薬。細胞治療薬は、患者自身の細胞を取り出し加工・培養する自家細胞治療薬と、提供者からの細胞を加工・培養・保管する他家細胞治療薬の2種類に分類されるが、「Heartcel」は後者の他家細胞治療薬にあたる。
同薬の細胞は、健常人から単離されて分化能を有する体性幹細胞を、所定の条件下で培養したもの。心臓特異的に治療効果を示すよう、加工されている。iPS細胞と異なり、遺伝子導入は行われていない。
虚血性心不全に対する治療効果に期待
「Heartcel」は、心筋に投与することで、虚血性心不全に対する治療効果が期待される。日本において同薬は、第一三共が開発および販売を実施することになる。治験用および商用生産は、Cell Therapy社が実施するとしている。
なお第一三共はこの契約について、契約一時金と各種マイルストン、そして販売ロイヤルティをCell Therapy社へ支払うという。

Cell Therapy社とのHeartcelに関するライセンス契約締結について - 第一三共株式会社
http://www.daiichisankyo.co.jp/news/detail/006441.html