治療歴を有する再発・転移性頭頸部偏平上皮がんで
小野薬品工業株式会社は、提携する米国ブリストル・マイヤーズスクイブ社の発表を受け、同社と共同開発を行ったオプジーボ(一般名:ニホルマブ)が、米国食品医薬品局(FDA)から、「プラチナ製剤による治療歴を有する再発または転移性頭頸部扁平上皮がん」(SCCHN)において、ブレークスルーセラピー(画期的治療薬)に指定されたことを公表した。
ブレークスルーセラピーについて
ブレークスルーセラピーは、がんなどの重篤な疾患において、治療薬として効果が期待できる新薬に対し、審査の迅速化などの措置がとられ、承認までの時間短縮を図ることを目的としたFDAの制度。
臨床試験に基づいて評価
このたびの指定は、「治療歴を有する再発または転移性頭頸部扁平上皮がん」における第III相臨床試験の結果に基づくもの。臨床試験は、プラチナ製剤による治療後6ヶ月以内に腫瘍が進行、再発または転移性SCCHNの患者を対象に行われ、3種類の標準治療と比較して全生存期間を達成した。
頭頸部がんの発症 今後増加の予想
頭頸部がんは、肺がんや大腸がんと比較すると発生頻度は少ないとされているが、世界では毎年40~60万人が罹患しており、年間20万人以上が死亡していると推定される。厚生労働省が発表した『2015年のがん罹患と死亡予測結果』によると、日本でも口腔・咽頭・甲状腺・喉頭がんの罹患者は4万2000人以上に上り、死亡者数も1万人以上となっている。ブレークスルーセラピーの指定により、早急な治療法の確立が求められていることがうかがえる。

小野薬品工業株式会社
http://www.ono.co.jp/jpnw/PDF/n16_0509_2.pdf