国立感染症研究所 リスクアセスメント表を公表
被災地の避難所等で気を付けるべき感染症について、国立感染症研究所はリスクアセスメント表を作成、公表した。
リスクアセスメント表は、感染症発生動向調査などのデータから、主に流行性の感染症リスクについて提示したもので、予防や被害を減らすために役立てる目的で発表された。
『低い』『中程度』『高い』の3段階で評価
評価は『避難所の過密状態に伴う感染症』、『水系/食品媒介性感染症』、『野外活動等で注意する感染症』など、5つの項目においてそれぞれ3段階で評価されており、流行する可能性のほか、罹患率や致命率からなる公衆衛生上の重要性、それらを総合的にみたリスク評価が一覧で分かるようになっている。
急性呼吸器感染症や感染性胃腸炎などが高リスク評価
表によると、避難所での過密状態が継続すると、乳幼児におけるRSウイルス感染症のリスクが高まること、また、すでに感染者の発生が報告されているノロウイルスやロタウイルスについても、感染拡大のリスクが高いとされている。
がれき撤去などの活動時には、外傷部からの破傷風や皮膚感染症発生の可能性があり、必要に応じた予防処置として、破傷風トキソイドの接種も有効となっている。
ボランティアについても感染症予防を呼びかけ
国立感染症研究所では、被災地で活動を行うボランティアに向けても、感染症に関する注意、協力を呼びかけている。
ボランティア活動が活発になると、感染症の持ち込みや罹患数拡大が懸念されることから、体調が悪い場合には活動の延期を検討すること、インフルエンザや麻疹、風疹など、ワクチンで予防できる疾患に関しては、可能な限り摂取後に現地入りすることを呼びかけている。

国立感染症研究所
http://www.nih.go.jp/niid/ja/