有効性と安全性を強固に
英国のアストラゼネカは、4月14日、2016年欧州肺がん学会において、非小細胞肺がん(NSCLC) 患者に対する「オシメルチニブ」第1相延長試験の追跡データを新たに報告した。
この発表は、これまで確認されていた同剤の有効性ならびに安全性をさらに強固なものと、同社はしている。
強力な阻害活性を有する「オシメルチニブ」
肺がんは、全てのがんによる死亡の約3分の1を占める疾患であり、男女双方のがん死因の第1位となっている。NSCLC患者のうちEGFR変異陽性の患者は、既存のEGFR-TKIによる治療に非常に高い感受性を示し、薬剤耐性が発生する場合が多い。
「オシメルチニブ」は、転移EGFR T790M変異陽性NSCLC成人患者の治療を適応とする、世界初の医薬品。EGFRmおよびT790M変異陽性NSCLC細胞株全体の変異EGFRリン酸化反応に対して、強力な阻害活性を有する。その一方、野生型EGFR細胞株に対しては阻害活性が著しく低いことが確認されている。
ファーストライン治療薬として検討
「オシメルチニブ」の第1相試験では、上皮成長因子受容体 (EGFR) 変異陽性進行患者60例 に対して、同剤をファーストライン治療薬として検討。結果、客観的奏効率は77%、無増悪生存期間は19.3カ月となった。また、55%の患者は、18カ月時点においても増悪が見られなかったとしている。
アストラゼネカは同剤について、術後補助療法および局所進行・転移ファーストライン治療や、他の化合物との併用などについても臨床試験を続行している。

アストラゼネカのタグリッソ(オシメルチニブ) 肺がんにおける良好な追跡データを発表 - アストラゼネカ株式会社
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