抗体医薬品の有効性を高める技術
株式会社免疫生物研究所は、4月18日、「カイコを用いた糖鎖構造に特徴を有するタンパク質の製造方法」に関する特許出願について、日本国特許庁より特許査定を受け特許証を受領したと発表した。
この特許は、同社および日本製粉株式会社が共同で出願していたものであり、抗体医薬品の有効性を高める技術が含まれている。
高ADCC活性を有する抗体を生産
免疫生物研究所と日本製粉は、遺伝子組換えカイコを用いて各種有用タンパク質の生産を試行。カイコの繭に生産させたタンパク質は、特徴的な構造を有した糖鎖が付加される場合があることを明らかにしてきた。
さらにカイコの繭から回収した抗体の糖鎖には、フコースが付加されず、抗体のADCC活性が飛躍的に上昇することを発見。ADCC活性は、抗体が抗腫瘍作用やウイルス感染細胞除去作用を発揮するために大変重要なメカニズム。高ADCC活性を有する抗体を生産する技術は、抗体医薬品の有効性を高める手段として注目されている。
極めて重要な知的財産権
今回特許証を受領した「カイコを用いた糖鎖構造に特徴を有するタンパク質の製造方法」は、ADCC活性が増強された抗体をカイコで生産する方法を含む。
この技術は、遺伝子組換えカイコによる抗体医薬品の開発・製造を実現させるにあたり極めて重要な知的財産権になると、免疫生物研究所はしている。

「カイコを用いた糖鎖構造に特徴を有する蛋白質の製造方法」に関する特許査定のお知らせ - 株式会社免疫生物研究所
http://www.ibl-japan.co.jp/direct/topics/topics_pdf