臨床試験、第3フェーズへ
日本イーライリリー株式会社は14日、アストラゼネカ株式会社と共同開発を行っている認知症治療薬AZD3293の臨床試験が第3相臨床試験に移行することを発表した。
治療薬AZD3293とは
現在、両社が開発中のAZD3293とは、脳脊髄液におけるアミロイドベータ値を低下させることで、アルツハイマー病の進行を遅らせることが期待されている経口のベータセクレターゼ切断酵素(BASE)阻害薬である。
アルツハイマー病は、脳内にアミロイドベータプラークが蓄積されることで症状が悪化するとされており、AZD3293はこのプラークの形成を阻害することで病態が進むのを抑制することができると考えられている。
今回のイーライリリーの発表は、AZD3293の安全性や有効性を確認し、本治療薬がアルツハイマー病による軽度認知障害などを緩和するかどうかを検証するAMARANTH試験と呼ばれる臨床試験が、第3相という新たな試験段階に進んだことを示している。
今後の試験計画について
イーライリリーは、DAYBREAKと呼ばれる今後の臨床試験の内容について述べている。それによると、軽度のアルツハイマー型認知症患者を試験対象としたAZD3293の安全性と有効性を検討する試験が予定されている。
また、2014年に締結された契約に基づき、臨床開発はイーライリリーが主導し、製造はアストラゼネカが担当することが発表されている。AZD3293の販売については両社が共同で行うことで、開発に関わるコストや損益を均等に負担しあうとされている。

日本イーライリリー株式会社 プレスリリース
https://www.lilly.co.jp/_Assets/pdf/pressrelease/2016/16-23_co.jp.pdf