PET検査において用いられる放射性医薬品
富士フイルムRIファーマ株式会社は、2月15日、PET検査用放射性医薬品『フルデオキシグルコース(18F)静注「FRI」』の製造販売承認を取得したと発表した。
同薬は、悪性腫瘍・虚血性心疾患・てんかんの診断を目的とするPET検査において用いられるもの。
高い感度と空間分解能を有するPET検査
PET検査は、ポジトロンを放出する核種を化合物に標識した放射性医薬品を、ヒトに投与することで断層撮影を行う検査。従来の核医学検査と比較すると、高い感度と空間分解能を有すことが特徴となっている。より診断に適した機能画像が得られるため、各種疾病の診断、治療方針の決定や予後の判定などに大きな役割を果たしている。
しかしその一方で、放射性医薬品は製造後の時間経過と共に放射能が減衰する。そのため、製品が固定の濃度および液量で製造されると、定められた時刻以降の投与が不可能となる。定刻以外の時刻に投与したい場合、製品の一部を廃棄する必要性が生じ、不要な被ばくリスクも生じていた。
発売に向けて準備を進めていく
富士フイルムRIファーマの『フレキシブルドーズ製剤』は、注文で指定された検査予定時刻に特定の放射能となるよう、製造時の放射能濃度および液量を一定の範囲で可変にした放射性医薬品。
今回製造販売承認を取得した『フルデオキシグルコース(18F)静注「FRI」』は、より柔軟な検査予定時刻の設定と、検査に必要な放射能の適切投与を実現すべく、製造時に1バイアル中の放射能を一定の範囲内で調整している。
同社は今後、同剤の発売に向けて準備を進めていくという。
(画像は富士フイルムRIファーマの公式ホームページより)

PET検査用放射性医薬品 フルデオキシグルコース(18F)静注「FRI」製造販売承認取得のお知らせ - 富士フイルムRIファーマ株式会社
http://fri.fujifilm.co.jp/information/detail/170215.html