脳の血管の炎症反応について解明
京都大学は、2月8日、同学内の研究グループが脳動脈瘤が進行する仕組みの一端を解明したと発表した。
この解明を行ったのは、青木友浩・医学研究科特定准教授、成宮周・同特任教授らの研究グループ。脳動脈瘤の発生や肥大化の原因の一つである脳の血管の炎症反応について、その制御の仕組みの一端を明らかにしている。
薬物治療法開発が急務
脳動脈瘤は、脳血管分岐部に形成される嚢状の病変。死亡率と後遺症率が共に極めて高い、くも膜下出血の原因疾患となっている。
脳動脈瘤を持っている人は比較的多く、その多くは脳ドックなどにより未破裂の状態で発見される。未破裂の脳動脈瘤は破裂予防のための医療介入が可能だが、現状では外科的治療法しか存在しない。有効な薬物治療法開発が急務となっていた。
治療薬の標的因子として、EP2が有望
同研究グループは今回の研究で、白血球の一種であるマクロファージに存在するEP2という受容体が、炎症を起こす様々な物質の反応を増強していることを発見し。EP2は、これまでも脳血管の炎症に関わっていることが知られていたが、作用の詳細な仕組みは分かっていなかった。
同研究グループは、脳動脈瘤に対する治療薬の標的因子として、EP2が有望であるとしている。
(画像はプレスリリースより)

脳動脈瘤が進行する仕組みの一端を解明 過剰な炎症を起こす受容体EP2が働くメカニズムを特定、新薬開発に期待 - 京都大学
http://www.kyoto-u.ac.jp/