肥満を加速させる血管新生因子を発見
富山大学(以下、富山大)は1月27日、血管新生因子が肥満を加速させることを解明、1月26日に米国の科学専門誌に掲載されたことを公表した。
脂肪組織の肥大化にはその組織に栄養を供給する血管も発達する必要があることが知られていたが、どの血管因子がどのように血管新生を誘導するかは不明だった。
富山大の笹岡教授らのグループは、マウスを使った実験で血小板由来増殖因子B (PDGF-B)とその受容体PDGFRβの発現量を調べたところ、脂肪組織のみ増加していることが分かったという。
また、これを基にマウスのPDGF-Bの働きを阻害すると、高脂肪食を摂取しても脂肪組織の肥大化も認められず、血糖値や血清脂質も上昇しないことが明らかとなった。加えて、PDGF-Bを阻害されたマウスは、基礎代謝が高いことから、エネルギーが脂肪に蓄積されずに消費されていると考えられるとしている。
新しい治療法の開発へ期待
この現代社会においてメタボや糖尿病など内臓脂肪蓄積が原因となっている疾病も少なくないが、安全で効果的な抗肥満薬の開発には至っていない。
富山大は、今後このPDGF-Bをターゲットとした治療法の開発を視野に、摂取したエネルギーがどのように消費されるのかのメカニズムを解明していく予定だ。
(画像はプレスリリースより)

富山大学 プレスリリース
https://www.u-toyama.ac.jp/