DS-8201に続いて臨床開発に
第一三共株式会社(以下、第一三共)は1月19日、HER3抗体薬物複合体(以下、ADC)U3-1402の第1、第2臨床試験を開始したことを発表した。
今回の試験はHER3陽性で難治性の転移性乳がん患者を対象に実施される。
第一三共は、2011年に買収した米国プレキシコンとの共同研究を行っており、がん領域の画期的な治療薬を開発するすることを目標としており、現在20以上の新規の低分子医薬、抗体医薬を保有している。
HER3高発現腫瘍に退縮効果
U3-1402はADCの薬剤としては、DS-8201に続いて2番目に臨床開発に入っており、リンカーを介して抗HER3抗体にトポイソメラーゼⅠ阻害剤を結合させる薬剤だ。また、前臨床試験ではHER3高発現腫瘍に対して、退縮効果が認められている。
第1臨床試験パート1では、安全性と忍容性、また最大耐用量を評価し、第1臨床試験パート2では安全性と有効性を評価する。また、その後実施される第2臨床試験では、推奨用量を投与し、安全性と有効性を評価する予定だ。
乳がんは転移、進行、また再発において確立した治療方法がなく、HER3陽性の乳がんにおいては、予後が悪いことが多く、第一三共はこの臨床試験の結果が新たな治療方法の選択肢になるとしている。
(画像は第一三共株式会社HPより)

第一三共株式会社 ニュースリリース
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