NOGマウス、すなわち重度免疫不全マウス
シミックファーマサイエンス株式会社と公益財団法人 実験動物中央研究所、そしてインビボサイエンス株式会社の3社は、1月20日、NOGマウス(重度免疫不全マウス)を用いた再生医療等製品の共同研究実施に合意したと発表した。
ニーズへの迅速な対応を目指す
現在、再生医療等製品の研究開発が多くの企業・研究機関・アカデミア等において行われている。
しかし、実験動物による従来型の一般毒性試験では、ヒト細胞由来製品の安全性評価において異種動物間の免疫反応により十分な評価ができない。そのため、異種細胞に対して免疫反応を発現しない、免疫不全動物での評価が望まれていた。
この状況を受け2016年11月、厚生労働省は「脳梗塞の細胞治療製品の開発に関するガイドライン」を発出。ヒト細胞由来製品の一般毒性評価における免疫不全動物の使用が、推奨となった。3社が合意した今回の共同研究は、これらのニーズへの迅速な対応を目指すもの。
試験プロトコルの確立、背景データの収集
3社の共同研究では、NOGマウスを用いた一般毒性試験における安全性薬理評価を組み入れた拡張型単回投与毒性試験のプロトコルの確立、そしてこの試験の背景データの収集を目的として、実施される。
使用されるNOGマウスは、重度の免疫不全度を示すモデルであり、異種動物間の免疫拒絶反応を除いてヒト細胞由来製品の安全性を評価することが可能だという。
(画像はシミックファーマサイエンスの公式ホームページより)

NOGマウスを用いた再生医療等製品の一般毒性および安全性薬理評価試験実施に関するお知らせ - シミックファーマサイエンス株式会社
http://www.cmic-phs.com/news/topics/20170120.html