ナパブカシンの臨床結果を発表
大日本住友製薬株式会社(以下、大日本住友製薬)は1月23日、がん幹細胞性阻害剤ナパブカシンの臨床結果を米国臨床腫瘍学会で発表したことを公表した。
ナパブカシンは大日本住友製薬の子会社であるバイオメディカル社が開発中の抗がん剤で、低分子経口剤だ。遺伝子の転写に関わるタンパク質であるSTAT3は固定がんで活性化が認められており、細胞のがん化を引き起こすと言われている。
ナパブカシンはこのSTAT3経路やNanog経路、β-カテニン経路を抑制する。
現在、様々ながんについて試験が実施されており、フェーズ1では単剤または併用使用で膵がん、血液がん、肝細胞がんなどのがんを対象に開発が進んでおり、その他、フェーズ2においても同様である。
新しいメカニズムの抗がん剤
今回発表されたのはフェーズ3の結腸直腸がんの切除不能または進行再発大腸がんの標準治療方法の1つであるFOLFIRI療法(以下、FOLFIRI)とFOLFIRIとベバシズマブ併用患者を対象とした試験で、FOLFIRIとベバシズマブの反応性を高めることが確認された。
また、野生型転移性直腸がん患者を対象としたパニツムマブ併用での結果は併用において有害現象は認められず、抗腫瘍効果が観察されたとしている。
大日本住友製薬はナパブカシンは新しいメカニズムの抗がん剤であるとして、新たな選択肢の1つになると期待している。
(画像は大日本住友製薬株式会社HPより)

大日本住友製薬株式会社 ニュースリリース
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