「クリアクター(R)静注用 40万・80万・160万」の自主回収を開始
エーザイ株式会社は1月10日、血栓溶解剤「クリアクター(R)静注用 40万・80万・160万」の自主回収を開始したことを発表した。
エーザイは2016年12月6日に「クリアクター(R)」は、「不安定な血行動態を伴う急性肺塞栓症における肺動脈血栓の溶解」に係る唯一の薬剤であるため、供給製品が整う予定の1月10日に自主回収を開始することを発表していた。
急性肺塞栓症は俗に「エコノミークラス症候群」とも呼ばれ、死に至ることもある。
再発防止に向けて品質保証体制を強化
「クリアクター(R)」は1998年に発売され、2005年に国内で初めて「急性心筋梗塞」と「急性肺塞栓症」の両方に対して効果、効能がある薬剤で、救命医療分野に貢献している。
遺伝子組換え(モンテプラーゼ)で開発された組織プラスミノゲン・アクチベーター製剤で、その糖組成の1つ、N-アセチルグルコサミン値が規格値2.3-3.2%のところ対象製品の原薬試験の結果、3.3%であったことが判明したため、自主回収となった。
また、エーザイはこれまでにこのことが原因と思われる健康被害の報告はないという。また今回の回収は一部のロット番号の製品であり、それ以外は回収の対象ではないとしている。
エーザイは再発防止に向けて一層品質保証体制を強化していく考えだ。
(画像は写真ACより)

エーザイ株式会社 ニュースリリース
http://www.eisai.co.jp/pdf/others/20170110.pdf