新たながん治療薬開発に繋がると期待
神戸大学は、1月13日、がん細胞を食べる(貪食)細胞を活性化する新たながん治療法を発見したと発表した。
この発見を行ったのは、同大大学院医学研究科シグナル統合学分野の的崎尚教授と村田陽二准教授、栁田匡彦大学院生らにより構成された研究グループ。この発見は、新たながん治療薬の開発に繋がることが期待されるものだという。
マクロファージを活性化、がん細胞を効率よく排除
近年、がん細胞や正常細胞に存在する特定のタンパク質へ作用する分子標的薬によるがん治療に、注目が集まっている。しかし分子標的薬には、耐性がん細胞の出現や従来の抗がん剤とは異なる副作用など、課題もある。分子標的薬の更なる改良や開発が求められている。
今回同研究グループが発見したがん治療法は、貪食能力を持つマクロファージ上のSIRPαという特殊なタンパク質に対して抗体を用い、マクロファージが活性化し、がん細胞を効率よく排除するというもの。
がん治療薬としての抗SIRPα抗体開発へ
同研究は、自然免疫に関わる細胞の免疫チェックポイント分子であるSIRPαに対する抗体が、新たながん治療薬として利用できることを明らかにした。
同研究グループは今後、抗SIRPα抗体が持つ抗腫瘍効果の作用機序を詳細に解析。同時に、安全性を厳密に評価し、がん治療薬としての抗SIRPα抗体の開発へと繋げるとしている。
(画像はプレスリリースより)

貪食細胞を活性化する新たながん治療法を発見 - 神戸大学
http://www.kobe-u.ac.jp/NEWS/research/2017_01_13_02.html