固形がん患者において良好な忍容性
ナノキャリア株式会社は、1月16日、「NC-6300」の国内第1相臨床試験結果に関する論文が、「Investigational New Drugs」電子版で公開されたと発表した。
この論文発表は、国立がん研究センター東病院の向井医師らにより行われたもの。同試験では、同剤が様々な固形がん患者において良好な忍容性を示している。
継続的な治療の可能性
「NC-6300」は、アントラサイクリン系抗がん剤のひとつである「エピルビシン」を内包し、更にpH応答性機能も付加したミセル化製剤。日本国内で実施された第1相臨床試験において同剤は、「エピルビシン」で認められる副作用である嘔吐や骨髄毒性などについて、抑制傾向を発揮している。
「エピルビシン」による治療ではまた、累積投与量に依存する心毒性リスクにより、治療中止となるケースがままあった。しかし「NC-6300」は同試験において、心機能の低下が認められなかった。12か月間を超える投与例にでも心機能低下は認められず、継続的な治療の可能性も見いだされている。
承認取得に向けた活動を推進
「NC-6300」の国内第1相臨床試験は、進行性および転移性の固形がん患者を対象として、ライセンス先であった興和株式会社が実施したもの。
ナノキャリアはこの試験結果に基づき、同剤の軟部肉腫を対象とした米国での第1/2相臨床試験の治験計画届出書を、FDAへ提出。今後も、国内外を問わず承認取得に向けた活動を推進するとしている。
(画像はナノキャリアの公式ホームページより)

NC-6300/K-912 国内第1相臨床試験結果に関する論文掲載のお知らせ - ナノキャリア株式会社
http://xml.irpocket.com/C4571/20170116ERMNDI.pdf