米アキュセラ・インクが開発
窪田製薬ホールディングス株式会社は、1月6日、スターガルト病を適応症として開発する新薬候補「エミクススタト塩酸塩」について、米国食品医薬品局(FDA)よりオーファンドラッグ(稀少疾病用医薬品)指定の通知を受けたと発表した。
「エミクススタト塩酸塩」は、同社の子会社である米アキュセラ・インクが開発している新薬。指定通知は、日本時間1月5日に行われている。
緩やかに視力が低下するスターガルト病
スターガルト病は、目の網膜に障害をきたし、緩やかに視力が低下する稀少遺伝性疾患。多くの場合、小児期から青年期にかけて発症する。
同疾患症例の9割以上が、網膜に局在するABCA4遺伝子の異常に起因していると考えられている。ABCA4遺伝子の異常は、徐々に光受容体が損傷して視力が低下させ、視野の欠損・色覚異常、歪み・ぼやけなど様々な症状が引き起こす。
同疾患は、8000人~10000人に1人が罹患すると推定されているが、症状の進行を抑制する治療法は存在しない。アンメット・メディカル・ニーズとして、対応が急がれている。
視覚サイクルに不可欠な酵素を抑制
「エミクススタト塩酸塩」は、視覚サイクルに不可欠な酵素であるRPE65を抑制し、ビタミン Aの代謝率を低下させる作用を持つ。ビタミンA由来の有害代謝産物は、スターガルト病発症に関与すると考えられているもの。この作用により同剤は、網膜の機能維持に有用であると理論づけられている。
窪田製薬は、スターガルト病患者を対象とした臨床第2相試験の開始に向け、現在は検証を進めているという。
(画像は窪田製薬の公式ホームページより)

「エミクススタト塩酸塩」のスターガルト病治療に対するFDAオーファンドラッグ指定のお知らせ
http://sw4596.swcms.net/