外来性のマーカー遺伝子を検出
東洋紡株式会社は、1月10日、遺伝子組換え動物の遺伝子汚染を検出するキット「Marker Gene Detection Kit」を開発したと発表した。
同キットは、同社の高効率・高成功率PCR酵素「KODFX Neo」を使用し、理化学研究所バイオリソースセンター(以下「理研BRC」)の指導により開発されたもの。実験動物の外来性のマーカー遺伝子を検出する。
医薬品開発に欠かせない実験動物
マウスなどの実験動物は、医薬品開発など基礎研究における疾患モデルとして、広く活用されている。しかし近年、遺伝子組換え技術が急速に普及。遺伝子組換え動物を用いる実験が増加したために、意図しない外来遺伝子を保有する実験動物が広まる可能性が懸念されている。
遺伝子汚染の検出方法は開発が進められているが、検査の作業が煩雑であり、検出に時間も要していた。この状況へ対応すべく東洋紡は、理研BRCの指導の下で遺伝子汚染検出キット「Marker Gene Detection Kit」の開発に至ったという。
同時検出、高速検出、高効率検出
「Marker Gene Detection Kit」は、遺伝子組換え時に使用される代表的な外来性のマーカー遺伝子9種類を、同時検出することが可能。また、従来は約半日かかっていた検査を、約2時間で実施することができる。加えて、マウスやラットの尾や耳の破砕液といった簡単な粗精製の試料からも、高効率に遺伝子を検出できるという。
東洋紡は今後も、PCR酵素を各研究機関に展開することで、医療の発展に貢献するとしている。
(画像は東洋紡の公式ホームページより)

遺伝子組換え動物の遺伝子汚染を検出するキットを開発 - 東洋紡株式会社
http://www.toyobo.co.jp/news/2017/release_7337.html