安全性と忍容性の検討、推奨用量を決定
ナノキャリア株式会社は、1月5日、「NC-6300(エピルビシンミセル)」の希少がんを対象とした第1/2相臨床試験を、米国にて開始したと発表した。
同試験は、軟部肉腫を対象とするもの。第1相試験では、同剤の安全性と忍容性の検討と、推奨用量の決定を行う。第2相試験では、同剤の軟部肉腫における有効性を検討する。
がん細胞内に取り込まれた後、薬物を大量放出
「NC-6300」は、がん細胞内に取り込まれた後、内包した薬物を大量に放出する性能が付加された、pH応答性ミセル製剤。
日本国内で実施された第1相臨床試験において同剤は、「エピルビシン」特有の副作用である嘔吐や骨髄毒性などの低減傾向が認められ、通常の「エピルビシン」の投与量よりも高用量での投与が可能だった。また、12ヶ月間を超える投与例が存在していたにも関わらず、心機能低下が認められなかった。同社はこの結果を、良好なものと認識しているという。
開発加速手段を検討した結果
ナノキャリアは、国内第1相臨床試験の結果に基づいて、「NC-6300」の開発加速手段を検討。米国の迅速審査制度活用なども念頭に置いて考慮した結果、希少がんである軟部肉腫を適応とした米国での開発を推進することを決定。FDAに対して、治験計画届出書を提出したという。
同社は今後も、1日も早い同剤の承認取得に向け、国内外を問わず活動を推進するとしている。
(画像はナノキャリアの公式ホームページより)

NC-6300 エピルビシンミセル 米国で希少がんを対象とした第1/2相臨床試験の開始に関するお知らせ - ナノキャリア株式会社
http://pdf.irpocket.com/C4571/DZbR/fO3k/BkIE.pdf