審査が優先的に行われるオーファンドラッグ
中外製薬株式会社は、12月22日、同社の「アバスチン」が「悪性胸膜中皮腫」に対する治療薬として、厚生労働省より希少疾病用医薬品の指定を受けたと発表した。
「オーファンドラッグ」とも呼ばれる希少疾病用医薬品は、審査が優先的に行われる。
総患者数が約2000人の悪性胸膜中皮腫
悪性胸膜中皮腫は、日本国内における総患者数が約2000人と報告されている疾患。難治性疾患であり、手術や放射線療法、化学療法および対症療法といった治療法の選択は、病期や全身状態により決定される。特徴的な病態から、遠隔転移を認めない限局期であっても、全身化学療法が治療選択肢になり得るといわれている。
「アバスチン」は現在、化学療法歴のない切除不能な悪性胸膜中皮腫患者を対象として、第2相臨床試験が実施中。同試験では、「アバスチン」「シスプラチン」「ペメトレキセド」の3剤併用による忍容性および安全性の検討が、目的とされている。
より良い治療の実現に貢献
希少疾病用医薬品は、医薬品医療機器等法に基づいて厚生労働大臣より指定を受け、優先的に審査される医薬品。指定には、重篤な疾病を対象とすると共に、医療上特に優れた使用価値を有することなどの条件がある。
中外製薬は、「アバスチン」をいち早く届け、より良い治療の実現に貢献できるよう尽力するとしている。
(画像は中外製薬の公式ホームページより)

アバスチン、悪性胸膜中皮腫に対して希少疾病用医薬品に指定 - 中外製薬株式会社
http://www.chugai-pharm.co.jp/