がん治療薬として開発を進めている
大塚製薬株式会社は、12月15日、腫瘍溶解性ウイルス「HF10」の日本国内における開発および販売に関する独占的ライセンス契約を、タカラバイオ株式会社と締結した。
「HF10」は、タカラバイオががん治療薬として開発を進めている腫瘍溶解性ウイルス。日本国内では現在、悪性黒色腫を対象にした第1相臨床試験が、米国では第2相臨床試験が実施されている。
直接的にがん細胞を破壊する
腫瘍溶解性ウイルスは、日本国内では2014年11月に施行された医薬品医療機器等法で新たに定義された再生医療等製品に該当する。現在、「条件および期限付き承認制度」による早期商業化のための制度が準備されている。
「HF10」は、単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)の弱毒化株であり、がん局所へ注入することにより顕著な抗腫瘍作用を示す腫瘍溶解性ウイルス。腫瘍溶解性ウイルスは、正常な細胞内ではほとんど増殖しない。がん細胞内において特異的に増殖することにより、直接的にがん細胞を破壊する。
再生医療等製品として上市することを目指す
今回締結された契約により大塚製薬とタカラバイオは、膵臓がんなどの全ての癌腫を対象に「HF10」を再生医療等製品として上市することを目指す。
なお開発された製品は、大塚製薬が日本国内において独占的に販売を行う。タカラバイオは、臨床試験用および市販用の製剤を製造して、大塚製薬へ有償供給することになるという。
(画像は大塚製薬の公式ホームページより)

がん治療薬:腫瘍溶解性ウイルスHF10に関する独占的ライセンス契約をタカラバイオ株式会社と締結 - 大塚製薬株式会社
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