富士フイルムHDの連結子会社へ
富士フイルム株式会社は12月15日、武田薬品工業の子会社で総合試薬メーカーの和光純薬工業株式会社を買収すると発表した。高い市場性が見込める再生医療分野や医薬品事業など富士フイルムが注力するヘルスケア分野の強化が狙いとし、買収額は約1,547億円を見込んだ。
同社は1960年に和光純薬と資本提携し、和光純薬の普通株式所有割合9.7%の第2位株主となっている。
今後は、武田薬品工業株式会社と日本製薬株式会社が保有している和光純薬の株式71.2%について、2017年2月27日から株式公開買い付けを開始予定。公開買い付けが成立した場合、2017年4月21日に和光純薬は富士フイルムホールディングスの連結子会社となる。
再生医療事業の加速など医療事業を強化
今回の買収の狙いは、医療事業の強化だ。富士フイルムは、これまで再生医療に必要な技術やノウハウを有していたが、和光純薬の培地を加えることで、再生医療に必要な主要要素すべてを自社グループで保有することになり、再生医療事業の加速に意欲を示している。
また同社は、高感度でインフルエンザウイルスを検出できる免疫診断システムなどの体外診断システムを展開しており、和光純薬が持つ免疫分析装置や生化学分析試薬などを加えることでラインアップを拡大していく。
これにより、さまざまな医療機関のニーズに対応可能とする、製品ラインアップの拡大を目指し、和光純薬の持つ強力な営業網と富士フイルムの海外ネットワークを活かして、それぞれのルートで相互に製品の拡販を目指すとしている。
(画像は富士フイルム株式会社 ホームページより)

富士フイルム株式会社 ニュースリリース
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