ニーズがある新規マクロライド系抗菌薬
富山化学工業株式会社は、12月5日、マクロライド系抗菌薬「T-4288」の臨床第3相試験を日本において開始したと発表した。
富山化学工業は、富士フイルムグループに属する企業。同社は新しいマクロライド系抗菌薬について、日本においてニーズがある薬剤であるとしている。
肺炎球菌やマイコプラズマを抗菌
「T-4288」は、米Cempra社が創製した新規マクロライド系抗菌薬。同剤は、既販品のマクロライドに耐性を肺炎球菌やマイコプラズマに対して強い抗菌活性を示す。また、比較的高い免疫調整作用も持つ。Cempra社は本年4月、細菌性の市中肺炎の適応で、米国食品医薬品局と欧州医薬品庁に対して同剤の新薬承認を申請している。
富山化学は2013年、日本における「T-4288」の開発・製造・販売の独占的権利に関するライセンス契約を、Cempra社と締結。2015年1月からは同剤の臨床第2相試験を開始し、市中肺炎患者に対する有効性と安全性ならびに耳鼻咽喉科領域の組織への移行性を確認している。
抗感染症領域の薬剤をさらに充実
今回開始された日本国内における「T-4288」の臨床第3相試験は、第2相試験に引き続き、市中肺炎などの呼吸器科領域、そして耳鼻咽喉科領域の感染症患者を対象とするもの。
富山化学は、これまで同社が創製してきたペニシリン系・セフェム系・キノロン系の抗菌薬にマクロライド系抗菌薬を加え、抗感染症領域の薬剤をさらに充実させるとしている。

新規マクロライド系抗菌薬「T-4288」の日本における臨床第3相試験開始のお知らせ - 富山化学工業株式会社
http://www.toyama-chemical.co.jp/news/detail/161205.html