森永乳業、長野県松本市、信州大学の産官学連携の研究で
森永乳業株式会社は11月29日、長野県松本市、信州大学とラクトフェリンの摂取が感染性胃腸炎の発症率を低下させ、下痢の有症期間を短縮させることを確認したと発表した。
これは産官学連携による研究で、森永乳業が2014年より加盟している松本地域健康産業推進協議会の事業の一環として行われたもの。
ラクトフェリンは、ヒトなどの哺乳類の乳汁や唾液などに含まれる感染防御機能をもったタンパク質。
ヒトの母乳、特に産後数日間に多く分泌される初乳に最も多く含まれ、抵抗力の弱い赤ちゃんを病原性の細菌やウイルスから守る重要な成分と考えられている。
ラクトフェリン群、プラセボ群に比べ有意な結果を示す
今回の研究では、対象となった保育園と幼稚園の職員346名に、プラセボ、ラクトフェリン200mg、600mgのいずれかを摂取してもらい、冬季感染症の発症、症状を比較した。
感染性胃腸炎の発症率は、プラセボ群が22.6%であったのに対し、200mg群が12.1%、600mg群が11.6%で、プラセボ群と比較してラクトフェリン摂取群が有意に低いことがわかった。
また感染性胃腸炎を発症し下痢の症状が見られた人の、1回あたりの有症期間は、プラセボ群の1~6日に対して、200mg群が1~2日、600mg群が1日で、600mg群でプラセボ群と比較して有意に短いことがわかった。
この研究結果は、信州大学医学部衛生学公衆衛生学教室 野見山哲生教授によって、10月30日に開催された日本ラクトフェリン学会第7回学術集会で発表され、日本ラクトフェリン学会 学会賞・冨田賞(応用部門)を受賞した。
(画像はプレスリリースより)

森永乳業株式会社 ニュースリリース
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