DS-8201がファストラック指定
第一三共株式会社(以下、第一三共)は12月2日、米国食品医薬品局(以下、FDA)から開発中のDS-8201がファストラック指定を受けたことを発表した。
DS-8201は抗HER2抗体薬物複合体で、固形がんを目標適応としている薬剤だ。今回FDAからファストラック指定を受けたのは、転移性乳がん治療に対してであり、現在他の4つの発現がん患者を対象とした症例拡大も目的とした臨床試験も実施中であるとしている。
第一三共は、DS-8201の乳がんと胃がんの患者を対象とした第1相臨床試験で、T-DM1の治療を受けた患者とHER2お発現が低い患者などに客観的奏効率が35%、病勢コントロール率が90%で有効性が認められたことを10月にデンマークで開催された欧州臨床腫瘍学会で発表していた。
次世代の医薬品として期待
DS-8201は抗体薬物複合体(以下、ADC)で、モノクローナル抗体と低分子医薬を共有結合性リンカーを介して結合した医薬群のことで、低分子医薬と抗体医薬の良さを併せ持つ次世代の医薬品として期待されている薬剤の1つと言われている。
第一三共は、固形がんと血液がんの領域で20以上の低分子医薬と抗体医薬のパイプラインがあり、今回のファストラック指定で早い承認が期待できるといえる。

第一三共株式会社 ニュースリリース
http://www.daiichisankyo.co.jp/