患者本人の皮膚組織を培養して移植
株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリングは、12月1日、同社の再生医療等製品「自家培養表皮ジェイス」が、先天性巨大色素性母斑向け製品として保険適用されたと発表した。
「ジェイス」は、重症熱傷の治療に使用されている製品。先天性巨大色素性母斑の治療では、患者本人の皮膚組織を培養することで製造した同製品を、患者の母斑切除部に移植する。
従来の治療では課題があった
先天性巨大色素性母斑は、生まれつき黒褐色のあざが体の広範囲にみられる疾患。悪性化して皮膚がんになる危険性があるとされている。同疾患において治療が必要な患者数は、一般的に新生児の約2万人に1人ほど。
同疾患の治療では従来、母斑を切除しての縫合や、体の他の部位から採取した患者本人の正常な皮膚の移植などが行われてきた。しかしこれらの方法は、母斑が大きい患者には適さないなどの課題がある。
再生医療等製品としては初めて保険適用
「ジェイス」は、2007年に重症熱傷を適応対象として製造販売が承認された。2009年には、再生医療等製品としては初めて保険適用されている。
ジャパン・ティッシュ・エンジニアリングは、ジェイスの適応拡大を目指し、本年1月に先天性巨大色素性母斑を適応として追加する一部変更承認申請を提出。9月に承認を取得した。この取得は、国内の再生医療等製品において初めての適応拡大にあたるという。
(画像はプレスリリースより)

先天性巨大色素性母斑向け自家培養表皮ジェイス:保険適用のお知らせ - 株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング
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