1mm角で、多様で微量な遺伝子を解析
株式会社日立製作所は、11月25日、1細胞ごとの高精度な遺伝子解析を100個同時に実現する小型チップを開発したと発表した。
このチップは1mm角でありながら、DNAから作り出される多様で微量な遺伝子(mRNA)を、細胞単位で効率よく高精度に解析することができるというもの。
細胞ごとにmRNAの量を計測する必要
がんなどの生体組織を構成する個々の細胞は、それぞれ異なった特徴を有することが、医学の進歩により明らかになってきた。それに連れ、病気のメカニズムの解明には、細胞ごとにmRNAの量を計測する必要があると考えられるようになっている。
しかし、多数の細胞のmRNAをまとめて計測する従来の方法では、計測結果が平均化される。そのため、がん組織の個々の細胞による違いを区別することが不可能だった。代替方法として、個々の細胞を解析する単一細胞解析技術が注目されているが、手作業ゆえの熟練度への依存や、解析コストの増大などが課題となっていた。
微小反応槽を100個集積
そこで日立は、小型で高精度な解析と並列性能を両立する単一細胞解析デバイスの実現に向けて、mRNAを効率よく抽出・解析するためのチップを開発。1細胞ごとにmRNAを抽出する微小反応槽を100個集積した、1mm角のチップを作り上げた。
日立は今回開発した技術について、がん組織中の細胞やがん発生初期における細胞など病気のモデル細胞解析に適用し、その有用性を検証するとしている。
(画像はプレスリリースより)

1細胞ごとの高精度な遺伝子解析を100個同時に実現する小型チップを開発 - 株式会社日立製作所
http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2016/11/1125a.html