中間解析の結果として発表
バイオジェン・ジャパン株式会社は、11月10日、脊髄性筋萎縮症治療薬「ヌシネルセン」が、遅発型脊髄性筋萎縮症に対する第3相試験において主要評価項目を達成したと発表した。
この発表は、米バイオジェン社とIONIS社が11月7日(現地時間)に発表したプレスリリースを翻訳したもの。主要評価項目の達成は、中間解析の結果として発表されている。
運動ニューロンが欠損する脊髄性筋萎縮症
脊髄性筋萎縮症の特徴は、脊髄および下位脳幹における運動ニューロンの欠損にある。この疾患は、重篤で進行性の筋萎縮や筋無力を引き起こし、最も重篤なタイプの患者においては最終的に麻痺状態となる。呼吸や嚥下など、生命維持のための基本的な身体機能に支障をきたす恐れがある。
同疾患の患者は、SMN1(Survival Motor Neuron 1)遺伝子の欠落または欠損により、運動ニューロン維持に必要なSMNタンパク質を十分に産生することができない。最も重篤でな1型脊髄性筋萎縮症患者では、SMNタンパク質がほとんど生成されず、2年以上生存することが不可能とされている。
病態修飾療法剤「ヌシネルセン」
「ヌシネルセン」は、脊髄性筋萎縮症の治療薬として開発中の、病態修飾療法剤。同剤は、アンチセンスオリゴヌクレオチドであり、SMN1(Survival Motor Neuron 1)遺伝子とほぼ同一の遺伝子であるSMN2のスプライシングを変えるようデザインされている。その目的は、完全に機能するSMNタンパク質の産生増加とされる。
今回の試験で同剤は、運動機能において統計学的に明らかな有意な改善を示したという。

ヌシネルセンが遅発型脊髄性筋萎縮症に対する第3相試験の中間解析で主要評価項目を達成 - バイオジェン・ジャパン株式会社
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