EMA、アベルマブの販売承認審査を開始
ファイザー製薬株式会社(以下、ファイザー製薬)は11月10日、欧州医薬品局(EMA)が転移性メルケル細胞がん(以下、MCC)治療薬アベルマブの販売承認審査を開始したことを発表した。
アベルマブは欧州委員会で稀少疾病医薬品指定を受けており、今回の申請は第2相臨床試験「JAVELIN Merkel 200」に基づいたものだとしている。
MCCは非常に稀な悪性の皮膚がんで、増殖が早くリンパ節から、肺や脳、骨など転移していくといわれている。
主な治療方法は再発しやすいために手術で、再発や手術が不可能な場合は化学療法が行われているが、このアベルマブが承認されれば初の治療薬となる。
転移性メルケル細胞がん初の治療薬へ
アベルマブはメルクセローノ株式会社と共同開発中の完全ヒト型抗PD-L1IgG1モノクローナル抗体で、がんにとって有利に働くPD-L1の作用を抑制することでT細胞と適応免疫系を活性化できると考えられている。
転移性MCCは5年生存率が20%と予後不良のがんといわれているが、今年6月に発表された臨床試験の結果では、31.8%の奏効率が認められ、また78.6%の患者に投与後7週間以内に効果が現れたという。
ファイザー製薬はアベルマブがMCCの治療の重要な選択肢となる可能性があるとしている。

ファイザー製薬株式会社 プレスリリース
http://www.pfizer.co.jp/