免疫チェックポイント阻害剤「オプジーボ」
小野薬品工業株式会社は、11月10日、免疫チェックポイント阻害剤「オプジーボ」が、再発胃がんを対象とした第3相臨床試験において全生存期間の有意な延長を示したと発表した。
同試験は、標準治療が不応または不耐である、切除不能な進行または再発胃がん患者を対象に実施されたもの。
免疫系を利用して抗腫瘍免疫応答を再活性化
オプジーボは、身体の免疫系を利用して抗腫瘍免疫応答を再活性化する、PD-1免疫チェックポイント阻害薬。
日本において同剤は、2014年9月、根治切除不能な悪性黒色腫の治療薬として小野薬品工業が発売。2015年12月には、切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん、2016年8月には根治切除不能または転移性の腎細胞がんに対する承認も取得している。
また、ホジキンリンパ腫および頭頸部がんについても承認が申請されており、食道がんや小細胞肺がん、肝細胞がんや膠芽腫などを対象とした臨床試験も現在実施中されている。
新規治療薬の必要性が高い胃がん
胃がんは、全世界における年間新規発症患者数が約95万人と、5番目に多いがん種。がん関連での死亡数も3番目に多く、年間で約72万人の死亡が報告されている。
切除不能な進行または再発胃がんにおける薬物治療は、化学療法治療の進歩により高い腫瘍縮小効果が実現できるようになってはきた。しかし完全治癒は未だ困難であり、新規治療薬の必要性は高いと考えられている。
小野薬品工業は、今回の試験結果について、関連学会にて今後公開する予定だという。

オプジーボ 再発胃がんを対象とした第3相臨床試験において全生存期間の有意な延長が示される - 小野薬品工業株式会社
http://www.ono.co.jp/jpnw/PDF/n16_1110.pdf